読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぐるりのこと。

動物と人間のあいだ

まるでブーメラン 手を離したらもう意思とは関係なく 弧を描くかも分からず飛ぶ 眼下は水面 手を離すために握ったのだから飛べ 願わくば弧を描いて砂に刺され もう一度握ったら それは思い出 俺の言葉は無視して はるかへ飛べ

酔いどれ詩人になる前に

時間とか感情の飛沫がかかった白紙の上は歩きにくい 清廉で清潔な白紙は評価を得難い それはそれで完成なのに それは人間が認めないものそれは動物が見向きもしないもの

電車

朝、いつもとは反対の電車に乗る。電車を待つ間煙草を吸う。 電車が来る。 いつもと逆に流れる景色を見る。 可憐な女子高生に感謝される。 テニスコートに吸い込まれる。 見たことあるようで見覚えのない景色が流れる。普段どれだけ外を見ていないのかあとは…

偏執狂

みんな自己肯定と諦念 みんなって言葉は私の諦念変な人は変な人に変と言われればいい 変な人は変な人に変と言い返せばいい表と裏なんて分かりゃしないから 多数決の変になりたいなら 少数決の普通でいい

不所

「自分がない」って言われたとき 自分は誰よりも自分だと思ってたところ言えないこともあったから 隣の人にも見えなかったところこの後どっちに転んでも 別の話をしよう

これは何色

おれの中で 雨が降って おまえは 傘を差し伸べた一緒に濡れられないことで おまえの中で 雨が降ったおまえの中で 曇っても 雨音が鳴るまで気づかない ずっと晴れだと思ってたんだろうおれはまた 目に付く安い傘を買っては 「通り雨だ」 とやり過ごすのだろう

努力の差異

これといって努力をしてこなかった男は、人生で1度だけ努力をしてみたいと思った。それが仕事だった。そっち側へ行くには力が必要だと思った。ちょうど都合が良いと思った。だけど負けたのだ。 今までなんとなくで人並み以上にやってきた男は努力の経験を持…

方向音痴の男

方向音痴の男はあの牧場を目印に走る2個先の信号を右だなんて知らないから 方向音痴の男はあの小っちゃいタワーを手掛かりに走るそれとの距離だけが現在地の手掛かりだから ほら時計塔が見えてきた思った道とは違ったけどもう大丈夫だろう 観覧車だって見え…

コーヒー

アレのあとはコーヒーを飲む コーヒーを飲んで人間に戻る 黒い冷たいコーヒーが食道と胃に当たり 染み込む コーヒーを飲んで人間に戻るシロップを入れて もう1度タバコに火をつけて 日常に戻る。